宿泊研修で止まるトコなんて、そんなにいいトコじゃないだろうって期待してなかったんだよね。
だから、いい意味で裏切られたってカンジ。
「本当ね。もっと汚いかと思ってた」
「れみちゃん、はっきり言いすぎ」
あゆみちゃんの言葉に、れみちゃんは「そうかしら」とそ知らぬ顔。
そのかけ合いが面白くて、こっそり笑えた。
「ねぇ、それより温泉行かない?」
6時までまだ50分くらいあったから、ゆっくり入れるんじゃないかと思って、あたしは提案した。
「そうね。皆休憩してるだろうから、夜より今の方が空いてるかもね」
入浴は、夕食前か夜の9時から10時までの一時間と決まっているのだ。
「はいはーい! あたしも賛成!!」
あゆみちゃんが片手をあげながら元気よく答えた。
さっそくお風呂の準備をして、大浴場へと向かった。