とにかく何か言い返そうとしたけど、それより先に口をさえぎられていた。


――佐野先生の唇によって。



これから激しくされることを予想して身を固くしたが、意外にも唇はすぐに離れた。



追いかけるように、先生の唇を見てしまう。



何てことなの。

物足りないと感じてしまった。



佐野先生とあたしの瞳がからまる。


「…その顔、誘ってるのか?」



誘ってる!?


どんな顔してるっていうの、あたしは。


恥ずかしすぎて、首を勢いよく横に振った。



佐野先生はそんなあたしの耳もとに口を寄せた。



近い!

近すぎだよ、先生!


なぜかあたしは緊張でカチコチに固まってしまった。



「…嘘つかなくても、わかってる。続きは、宿泊研修だ」