涙でゆがんだ顔。



それは決してうれしいからではなく、悔しいとか悲しいとかそんな感じだ。


眉間にしわを寄せて、眉を上げて、ボロボロ涙をこぼしながら、あたしをにらんでいた。



「佐野先生はねぇ、あなたが好きなの!!

あなたがいいって。それなのに、どうして高村さんは佐野先生を信じてあげないの!?」



彼女の言葉が胸に突き刺さった。



「…ど…して? …いつも樋渡さんと佐野先生は一緒にいたじゃない」



「あんなの、あたしが付きまとってただけ!

お正月だって、佐野先生はふたりでは会ってくれなかった。本当は前のクラスメート達も一緒だった。

バレンタインは告白したけど、ふられた。

…今は、ダメ出しされた。

佐野先生はもうずっとあなたしか見てないのに、あなたが信じてあげないなんて

…そんな人に負けただなんて…悔しいよ!!」