「うん、慶太と付き合うことになったの!」
「それにしても、バレンタインの返事をホワイトデーになんて、変に律儀な男ね。
バレンタインに返事をくれたら、この一カ月不安じゃなかったのに」
れみちゃんの言葉を聞いて、胸がズキンとした。
『バレンタインの返事をホワイトデーに』
――そう、今日はとうとうホワイトデー。
あたしも返事をしなくてはいけない日。
「いいの、告白待ってる間もドキドキして楽しかったんだから」
あゆみちゃん達は楽しそうに会話を続けているけど、あたしはもう笑えなかった。
「はぁ~」
皆がガタガタと席を立つ中、あたしは大きなため息を吐いた。
「千沙ちゃん、バイバイ」
慶太くんと楽しそうに帰っていくあゆみちゃんのその背中をうらめしく見つめた。