『俺と結婚してくれないか?』



佐野先生からのプロポーズかに返事をしないまま、3月になった。



もうすぐ、ホワイトデー。


ホワイトデーのディスプレイを見るたびに、あたしの胸は痛む。



ホワイトデーには返事を。



別にそう言われたわけではないけど、

バレンタインデーにチョコの代わりにプロポーズをいただいてしまったから、

ホワイトデーには返事をしなくてはいけない気がする。







「聞いて~、千沙ちゃん!」


その日、学校に行くと、飛びつかんばかりの勢いであゆみちゃんが寄って来た。



「ど、どうしたの?」


「あのねぇ、慶太からチョコのお返しもらっちゃった」



そう言いながら指差した胸もとにはキラリとネックレスが輝いていた。


「アクセサリーをもらったの? てことは、もしかして?」