先生って顔はカッコイイから、真剣な瞳をされるとヤバイかもしれない。
だけど、流されるわけにはいかない。
あたしも負けじと先生を見つめた。
「先生に毎日迷惑かけるわけにはいきません。そんなこと三年間してもらうわけにはいかないし、自分でなんとかしますから」
「あのなぁ、俺が守るって言ってんだからおとなしく守られておけよ。
ちゃんと担任にも話通してるし」
呆れた声が耳に届くと同時に、左手首をつかまれ、そのままホームへと連れていかれた。
すぐに電車がきて、乗り込む。
そのまま人の波を分け入って、あっという間に反対側の扉を背中に感じた。
――すごい。
こんな満員電車だったら、あたしひとりじゃ一歩も動けないのに。
佐野先生はあたしをあっという間にここまで連れて来た。
さらに先生は周りの人からかばうように、あたしの前に立った。