妙に温かくて、あたしは目を覚ました。
真っ先に見えたのは知らないクリーム色の天井で、
少し顔を動かして見えたのは青いストライプ柄のシーツだった。
「…どこ、ここ?」
「俺の家」
ひとりごとのつもりで言った言葉に返事が返ってきて、びっくりした。
あわてて起き上がろうとして、頭がクラリと回って、ベッドに突っ伏しそうになった。
背中を誰かが支えてくれて、誰だろうと目線だけなんとか動かすと、あたしの右横に佐野先生の顔があった。
「佐野先生…? 何で?」
佐野先生に支えられながら、再びベッドに横になった。
「何ではこっちのセリフ。何であんなところにひとりでいたんだ?」
あたしの質問に答えるわけでもなく、発せられた佐野先生の声には、
明らかに怒気が含まれていた。
「…あんなところ?」
状況を把握しきれなくて、どうして佐野先生がそんなに怒っているのかわからなかった。