「お…かしい…な。チョ…コもしょっ…ぱい…よ」 あたしはその味をかみしめながら、つぶやいた。 もう一粒口に含みながら、ズルズルと座り込み、やがてその場に寝転んだ。 青空がとてもまぶしくて、青空から目をそむけるように横を向いた。 それでも、何だか空に見られている気がして、あたしはぎゅっとまぶたを閉じた。 チクチクと痛む冬らしい外気だけが、あたしの気持ちに呼応してくれているようだった。