あたしのグループは先に男組、後半は女組で戦う予定にしている。
「よし、並べ終わった。皆しっかり覚えろよ」
委員長のかけ声を合図にして、皆無言で札を見つめた。
1回戦は7組Aグループが相手みたい。
とにかく、あたしも集中しないと!
集中して、安藤先生のことは忘れて――って、
こんなこと考えてる時点で忘れられない証拠だよ!
結局、安藤先生のことを頭の片隅にちらつかせたまま、百人一首大会が始まった。
「ねぇ、高村さん。賭け覚えてる?」
委員長達の戦いを見守っていると、樋渡さんがそっと話しかけてきて、あたしはハッとした。
すっかり忘れてた。
安藤先生だけじゃじゃない。
賭けの問題もあったんだ。
「最後の試合の札の数――つまりは、もしここで負けたらこの試合で賭けの勝敗が決まる。
それとも決勝戦まで残るのか。いつ決するかはわからないけど、お互い頑張りましょうね」