あたしの頭の中で、ハテナマークが広がった。



「その坊主めくりに使っているのが百人一首カルタだ」



そう言えば、絵だけじゃなくて歌も書いてたような…。


坊主めくりには使わないけど、文字だけの札もあったよね。



「坊主めくりに使っているのは読み札で、一首まるまるとその歌を読んだ歌人が描かれている。

坊主めくりには使わない文字だけの札が取り札で、歌の下の句が書かれている。

百人一首カルタは、取り札を表向けて並べて、読み札で読まれる歌の札を取っていくんだ」



「てことは、普通のカルタの百人一首バージョンってこと?」


「そうだ。わかったなら、次な。花の色は うつりにけりな いたづらに」



あっ、これさっき覚えようとしてたヤツだ。


え~と、何だったかな。


花の色は うつりにけりな いたづらに



「我が身…世に…ふる、ながめ…せしまに?」


「なんだ。ちゃんと覚えてるのもあるんだね」