高校に入学してから一週間ほどたったある日のこと。
あたし、高村千沙(たかむら ちさ)は、今日も電車に揺られながら戦っていた。
それは痴漢。
戦うって言っても、意気地のないあたしは耐えることしかできないんだけど…。
入学してからもうすでに3回目。
こうなると、あたしに隙があるのかとか、いろいろ不安になってくる。
だって、二日に一度、痴漢にあうなんて聞いたことないんだけど!
もしかして同じ人にやられてるのかと車両をかえても、変わらない。
改札かどこかで電車に乗る前から後をつけられてるのかな?
そうだとしたらお手上げだよ。
乗りこむ時にはすでに満員電車状態で、うまくドアに背を向けて乗ることもできない。
後ろの方に乗っても、いつも発車直前に駆け込んできた人達に中へと押されてしまう。
そうこう考えてる間にも痴漢の手はスカート越しからあたしのお尻をなで回す。