三学期が始まって、最初のホームルームが行われていた。
だけど、話を聞く気にもなれず、
頭の中では元旦の佐野先生の姿が浮かんでは消えを繰り返していた。
佐野先生と樋渡さんの関係は…。
あの時はだまされようなんて思ったけど、最近は違う気がする。
だまされるんじゃない。
ただ、あたしが知りたくないだけなのかもしれない。
知らなければ、幸せなフリができるから。
ふたりの関係をはっきりさせて、この恋にピリオドを打つはめになりたくないから。
もんもんと考え込んでいると、皆がガタガタッと急に席を立った音で、あたしは我に返った。
何!?
何がなんだかわからなくて、辺りをキョロキョロ見回した。
「高村、おまえ、また話聞いてなかっただろ?」
上から声が降ってきて、見上げるとあたしの前に委員長が立っていた。