あたし達は仲間くんの後に続いて、鳥居をくぐった。
「あら、元旦なのに誰も参拝客がいないのね」
れみちゃんの声で、辺りを見回してみたが、本当にあたし達しかいないみたいだった。
「もっと大きな神社に行くからな。ここは近所の人が軽くお参りするぐらいだから、
朝や昼ならともかく、夜中に参りに来るヤツなんて少ないんじゃないか?」
ナルホド。
あたしも今まで友達と初詣と言えば、
人がいっぱいで、なかなか進めないような大きな神社ばかりだった。
でも、人が多すぎて好きじゃないんだよね。
こんな小さな神社の方がお参りしやすい。
賽銭箱の前まで来ると、あたし達は横に並んで、お賽銭を投げ入れた。
あたしは縁起をかついで五円。
パンパンと手をたたいてお願い事をする。
『どうか、佐野先生と幸せな一年が過ごせますように』