つかまれたままの右手首を軽く引っ張られ、
次の瞬間には狭い車内で、佐野先生の両手があたしの背中をとらえていた。
「佐野先生…?」
「祐輔って呼んでよ」
「さ…佐野先生…?」
「頼むから、先生なんて言うなよ…。今だけでもいい。祐輔って呼んでくれ」
佐野先生の熱い声に、あたしの心はキューンとなった。
何だか…愛しい。
この人を大切にしたい。
「ゆ…祐輔…?」
震える声で名前を呼ぶと、先生の、祐輔の唇が降ってきた。
最初は軽くついばむように。
だんだんと深くむさぼるように。
「…んン…」
ここはあたしの街で、同じ高校に通っている子がたくさんいる。