あたしは意味がわからなかった。



佐野先生と出会ったのは高校でだったはず。


高校で再会して――?



頭の中でグルグル考え込んでいると、佐野先生が急に「プッ」と笑った。



「わかんないって顔してるな」


あたしはコクンとうなずいた。



「俺とおまえは一度会っているんだよ」


あたしの頭の中はハテナマークばかり浮かぶ。



もし本当に出会っていたとして、それを忘れてるなんてあるんだろうか?



だって、佐野先生は目立つ。


人目を引く顔だよ。



忘れるくらい昔に会ったってこと?


でも、もしそうならあたしはいくつだったの?



今でも佐野先生の許容範囲に入ってるのが不思議なくらいにあたしは子供。