月日は変わりなく流れ、吐く息が白に染まる季節になった。
何も変わらない。
たとえ、自分の気持ちに気づいても、変わるはずはなく…。
「いいかぁ。ここは試験に出すぞ。聞いてるのか、高村?」
あたしはぼーっと窓の外を眺めていた。
「そんなに俺とふたりで性教育の補習したいのか? 高村」
耳のすぐそばで、佐野先生の大きな声が響いた。
その言葉にびっくりして、うろたえた。
「え、え!? な…何!? いや、あの、ちゃんと聞きますから」
性教育!?
ふたりで!?
なんだかよくわからないけど、そんなことになったら嫌だ。
マジメに授業に聞こうとして気づいた。