「とにかく保健室に行くぞ」


「嫌っ…!!」



佐野先生に抱っこされそうになったあたしは、思わずその手を払いのけた。



触れてはいけない。


佐野先生には関わってはいけない。



だって、あたしは負けたんだから。



樋渡さんの目が怖くて、あたしは佐野先生に甘えることが出来ないでいた。



「なら、オレが連れて行きます」



グラウンドで騒ぐあたし達は周りにも注目されていて、

他のクラスの生徒や先生が集まってきていた。


その中のひとりから声が上がったんだ。



あたしはその人に身をゆだねた。