結局、鈍臭いあたしの相手を佐野先生が、
樋渡さんの相手を委員長がして、福澤先生が全体の指導をとった。
「はい、今日はここまで」
フォークダンスの振り付け自体はとても短くて、ずっと同じ踊りをくり返す。
だから、あたしも福澤先生の授業終了の声がかけられた頃には、
なんとか転ばずに踊ることができるようになっていた。
「あの、ありがとうございました」
あたしに付きっきりで教えてくれた佐野先生にお礼を言った。
「い~え。でも、頼むから次の授業までにすっかり忘れてるとかは止めてくれよ」
「なっ、大丈夫だもん!…たぶん」
「絶対じゃないのかよ。たぶんかよ」
佐野先生が腹を抱えるように大笑いしだしたので、あたしは一気に不機嫌になった。
「もう知らない」