ここは廊下で人目につくと言うのに、変な誤解を受けないか心配になってしまう。



「やだ。離したら、おまえ逃げそう」


「に…逃げませんから。こんなトコ誰かに見られたらどうするんですか!?」


あせりながら、先生に言った。



「プッ。おまえ、顔真っ赤」


「なっ、だって…」



こんなに近くに佐野先生の顔があれば、恥ずかしくもなるものだ。



「それより離して下さいよ!」



「誤解受けるってか? 別にやましいことしてるわけじゃないんだから、構わないよ。

キスのひとつでもしちゃえば別だがなぁ」



佐野先生は、唇が合わさりそうなほどに顔を寄せてきて、あたしはいっそう顔が赤くなった。



さっきから心臓が止まらない。


佐野先生と一緒にいるとドキドキしすぎておかしくなってしまいそうだ。



一体どうしちゃったんだろう。