すぐに『ヒュ~ドロドロ』といういかにもオバケが出そうな音が流れてきて、思わず足を止めた。
これは、間違いなく…よね?
「高村~、面白いもの見れるから目開けてみな?」
「絶対嫌です!」
オバケがでるってわかってて、目を開けるわけないから!!
だけど、いつまで経っても先生の驚く声や怖がる声が聞こえない。
…あれ?
きっと今オバケが出てるはずだよね?
何でこんなに静かなの?
あたしが先生にしがみついているのだから、先生がここにいるのは間違いない。
でも、一言も発しない先生を不思議に思った。
少しだけ。
少しだけよ。
少しだけ目を開けて周りを見てみよう。
そんな気持ちがあたしの中で芽生えてきて、そして。