そのまま体をクルリと反転させられ、誰かの腕の中にボスッと納められた。
「な、何!?」
相手の胸を押して、顔を上げると、見えたのは安藤先生の険しい顔だった。
「…安藤先生?」
どうして腕の中にいるのか。
どうしてそんなに険しい顔をしているのか。
何もわからない。
「安藤先生、どうしたんですか?」
「…何で、何でそんな格好しているの?」
返ってきた安藤先生の声は、怒っているらしく、想像できないくらいに低かった。
そんな格好という意味がよくわからず、自分の姿に目をやって、全身がほてった。
佐野先生にキスマークをつけられて、そのまま飛び出してきたから、
胸もとを開けたままだったのだ。
下着まで見えそうで、急いで隠そうとしたけど安藤先生の方が早かった。