「あたしは先生の物なんかじゃ、…んンッ…!?」



体を起こして言い返そうとしたけど、先生にその言葉はのみ込まされた。



そして、再びソファーの上に倒される。



目を閉じたくはない。


でも、それ以上に先生の顔を見たくなくて、固くギュッと目を閉じた。



まるで食らいつくかのように、何度も何度も角度をかえ、より深く、深く、キスをされた。





やがて何も考えられなくなり、体の力が抜けた頃、あたしはようやく解放された。



薄く開けた瞳に見えたのは、怖いくらいキツイふたつの瞳。


口もとは笑っているのに、瞳は笑っていない。



「いいか。劇で鷹井に許すのは口づけのフリだけだ。それ以上は許さない。わかったか?」



あまりに怖くて、うなずいてしまう。


佐野先生はそれを確認して笑顔になる。