佐野先生の左手は腰に回され、右手はあたしの胸の上。


これってもしかして、貞操の危機ってヤツ!?



「先生、やめてください!!」


体を動かしたいのに、石のように固まってうまく動けない。


あたしは必死に口を動かした。



佐野先生はあたしの鎖骨、胸もと、首筋という風に、

あちこちに唇を押し当てては離しをくり返している。



「先生!!」


「うるさい、黙れ」


騒ぐあたしを佐野先生は一喝して、やがてその動きがあたしの胸の上で止まった。



「先生…?」


何?


何をしているのか確認しようと、あたしが頭を動かした瞬間に、チクリと胸もとに痛みが走った。



すぐに佐野先生は頭を上げ、あたしに視線を合わした。


先生の真剣な瞳にドキリとする。



「俺の物って予約の証だから」