「そうだ、竹下、月謝、さっき事務員に渡しておいたからな」


急に振り向く


「え?あ、あの…ありがとうございます。私、ちゃんと返しますから」


そうだった…


私と先生は月謝とガムというモノで繋がってる


それはいつかなくなってしまうモノで、永遠に繋がる赤い糸じゃない


先生の赤い糸は誰と繋がっているの?


私は先生の左手の小指を見た


先生の指は他の男性と比べると、細くて長い、綺麗な指をしている


ピアノとか弾けたりするのかな


私は窓際に立つ先生の指ばかりを見ていた