「見ろよ。怯えてんだろ」


そう言って、男どもの輪の中から、私を引っ張り出してくれた。



「なんなら、ケーサツ呼ぶぞ」



と、彼がそう言うと、輩はぐっ……と言葉を詰まらせた。



「――引くぞ」
 太った男はそう言い、チッと舌打ちをし、私をギロッと睨んで去っていった。


ほぅ……、私は安堵のため息をつく。



「大丈夫だった?」



と、店員さんは優しく声をかけてくれた。