「カッコイイことで、有名? そりゃそうよね。あれだけ整った顔していて、背も高くて」



「悪かったな。どうせ俺はチビだよ」



「確かに、カッコイイわね。私、あのひと何回か見たことあるわ」



と、綾歌が宙を見て言った。



「違くて。――ガラが悪いって有名だったぜ。あいつと小、中と学校一緒だったけど、ヤンキーとつるんでたもん」



眉間にシワを寄せて亮は言う。



「解った解った。亮は私のこと好きだもんねー。妬いてるからそう言うこと言うのね」



「いや、違うって……」



亮が何か言いかけるのを遮って、綾歌は私の手を取り、



「彼氏できて、おめでとー。私と祐介のようにラブラブ街道を貫いてちょー」



と、にっこりと笑った。