夜の11時、私は家を出た。



数Ⅱの宿題を終え、一息ついたところ、夜の魔法にかかり妙に甘いものが食べたくなった。



パジャマ姿から外着に着替え、近くのコンビニへと赴いた。



私、北条愛。



公立高校の2年生。



これといった趣味はないし、部活にも所属していない。



勉強だって、適当だし。……宿題くらいは一応するけれど。



平凡な生活を送っていた。


――時折、好きです、なんて告白されたりするけれど。



去年1年生の時、同じクラスだった男の子に一度、面識のないふたつ上の先輩に一度。



今年になってからは、つい先日入学したばかりの1年生に一目惚れですなんて言われた。



恋愛に興味ないから、全て断っているけれど。