胸のドキドキを落ち着かせようとしていると…

「おや?君は…」

声のした方を見ると、40代くらいのの男性が立っていた。

「?」

「君が天音くんかね?」

「はい、そうですが…」

「おぉ!よくきてくれたな!私はこの聖海学園の理事長の皇后智 和也(オウコウチ カズヤ)だ。」

あたしは白いヒゲをはやした老人を想像していたが、あたしの想像と違って、理事長はとても若々しかった。

「まぁ、立ち話も何だからどうぞ」

「失礼します」

「とりあえず、座りたまえ」

「はい。ありがとうございます。」

「それにしても…本当に美雪さんに似ているね」


美雪とはお母様の名前だ。


「母をご存知なんですか?」


「あぁ、昔ちょっとね…」


理事長は少し意味深な言葉を残した。


「さて、そろそろ時間だな。クラス分けは高等部の掲示板に掲示されているから確認するといい。」


「はい、わかりました。」