何も話す話題もなく静かで歩く音がコツコツと響く長い廊下を無言で歩いている。
あたしはふと隣を歩く彼を見た。
先輩…だよね?
金色に輝く髪に吸い込まれそうなブルーアイ。
それにとても背が高く、すらっとしていて、まるでモデルさんみたい。
「僕の顔になんかついてる?」
あたしの視線に気がついたのかあたしの方に顔をむけて尋ねてきた。
「あ、い、いえっ!ごめんなさい!」
慌てて否定すると彼はくすっと笑った。
笑われちゃった…。
「ところで、どうして今日学園にきたの?普通なら一週間前くらいには入寮するのに」
とても「昨日入学することを知ったので」と言うことはできないので…
「いろいろ事情がありまして…」
とだけ答えておいた。