車が停まり、運転手さんがドアを開けてくれた。

あたしは座席の横に置いていたカバンを手にとり、車から降りた。

「ここが新しい学校…」

「お嬢様、理事長室へ行かれるよう伝言を承っております」

「あ、はい。わかりました。」

「では、私はこれで失礼します」

「ありがとうございました」

運転手さんはあたしにお辞儀をしたあと、再びリムジンに乗りこみ、去っていった。

「よし！」

あたしは新しい学校生活にちょっとの不安と、大きな期待に胸を膨らませ、目の前の階段を登って行った。