目覚めると、大きな胸に頭を預けていた。私としたことが…。幾松様に大きな負担をかけてしまった…。 更に、私が恐る恐る顔をあげると、幼子をあやすかのような緩やかな顔をして私を見ていた。 (ああ、私のほうが先に起きていなければならないのに…。) 他の女郎ならともかく(本当は駄目だが)花魁といわれる地位のある私が…。 しかも、一度ではない。 私が安心して、一人の女として、彼を……。 「おはよう。」 『おはようございます…。私また…』 「疲れていたようだから。」 *