「…オレから逃げられると思うなよ」


そう言って、私を地面へそっと降ろしてくれた。








後ろを振り返りつつ、足早にその場を立ち去る私。




振り返ると…

絹川くんの黒髪は日に透けて、キラキラ輝いていた。



そう…

一瞬、絹川くんの髪が、金色に透けて見えた。











忘れかけてたけど、

紛れもなく、あの顔は…





入学式の時の

金髪の彼だった。