「…なんで?」

「なんでって言われても…。じゃあ、絹川くんは私のどこが…気に入った?」

「全部」

ぜっ…全部ぅ?

ホント、よく言うよぉ。



甘い顔して、今まで何人もの女の子を騙してきたのかな。

眼鏡かけてるから誤魔化されるけど、その下の整った顔に…

じっと見つめられると、自然とドキドキしてくる。




「絹川くんて…真面目か悪いのかよくわかんない。

見た目は真面目そうだけど、こんな所でサボってるし。

いきなり私に付き合えとか…」

「はは、どっちでもいーんじゃね?んなもん関係ねぇし」

「…関係あるよ。私、ケンカ好きの不良は嫌いだもん」

「不良ねぇ…」

絹川くんは何か言いたげに、口端に笑みを含む。