「…やだ」

「降りて来い。落ちるぜ?」

絹川くん、少し真剣な表情。


な…何よ。大丈夫なんだから。

私が木登り得意って言っても信じないよね。

「落ちないよ。ベスポジ見つけたんだから。絹川くんこそ、こっち来たら?

空が青くて最高だよ~」

ま、登れないと思うけどぉ?


「ったく…、とんだじゃじゃ馬だな」

絹川くんは自分のスリッパを脱ぎ、手にした途端、私目掛けて投げつけてきた。


うわぁっ!何するのぉ!?

飛んできたスリッパを避けようとして、とっさに手で掴む。

やった!

と、ほくそ笑んだのも束の間。

私の視界が、ぐらりと揺れた…。


「ひゃあっ…」