「…ごめん、気持ちの整理つかないや。今日、ちょっと色々あって」

やっぱり言えなくって、苦笑いをして誤魔化すと、月ちゃんは私をギュッと抱きしめてくれた。

「ば~か。さやと私の間に隠し事はナシだよ?強がらないで、話していいよ。

あのバカさやに何言ったの?場合によっちゃ、足折りに行ってやるからぁ」

「もぉ折れてるってばー」

「あは、そーだった。何?あの女が、絹川当麻のお見舞いにでも来てたの」

「違う。その…彼女の事で、天ちゃん先輩と当麻くんがモメて、ていうか、天ちゃん先輩が一方的に怒ってて…」



私がそこまで言うと、月ちゃんは私の肩をポンと叩く。

「さや、ノープロブレム。あの女はそーいうヤツなんだってば。

天ちゃんの浮気がバレた途端、窓から突き落としたくせに、自分だって遊んでたんだよ?」

…え。



「姉ちゃんが言ってた。天ちゃんとねぇ、二股かけてたんだって。それなのに、自分の罪は咎めず、天ちゃんにはあんな仕打ち。サイテーな女だよ」

その二股は、当麻くんなの?

…嫌だよ。