バンッ!
家に帰り、思いっきりカバンを壁に叩きつける。
もぉ…
当麻くんなんて、知らない。
足の怪我なんか、治んなきゃいーんだ。
一生入院してればいいんだ。
出席日数足りなくて、
追伸も補習も受けずにまた落第。
永遠に一年生やってればいいっ!
ベッドに体を投げ出すと、部屋の入口に
クリーニングから戻って来た、当麻くんの制服が目に入ってきた。
うわ、今あれ見たくない。
当麻くんを思い出す。
見えないように、クローゼットになおしてしまおう。
起き上がって制服を取りに行くと、部屋の扉がカチャと開いた。
「もーっ!お兄ちゃん、何度言ったらわかるの?ノックしてよおっ」
イライラついでに、ヒステリックになってるのが自分でも分かった。
扉を閉めようと力を加えると、聞き慣れた声がした。
「…さや?」
「つ…月ちゃんっ。なんでぇ?」