えー?
  そんなエライ人と話さなきゃいけないの?
 私は何を話そう、どうやってアピールしようと悩んで、ご飯も食べられないほど緊張して待った。
次の日も、そのまた次の日も待っても電話がかからなかった。
三日目、夜の7時にKJ企画から電話がかかってきた。
「あーもしもし、工藤さんですか?
 はじめまして、KJ企画の滝川です」
  ギャーーー
  キターー!!
  緊張ーーーー(汗)
「今、お時間大丈夫ですか?
 野崎と田村がどうしても話をしてほしいと言うので」
 トーンの低いシブイ声なんだけど、想像していたよりもずっと若い声。
「じゃあまず、工藤さん
 攻略法を使って稼ごうと思ったのはなんでですか?」
 私は言葉につまった。
あれだけ話そうと思ったことをメモっていたのに。
私は結構面接には強いほうだと思っていたのに言葉が出ない。
「あ、それは、うちの主人が三交替の仕事をしていまして
 昼間いないといけないときもあるので
 自由な時間に少しでも稼ぐことができたらいいなぁと思いまして…」
 やっと声になって出てきた。
「あー、確かに時間は自由ですね
 でも攻略法というのは違法ではありませんが、そんなに楽して儲かるものじゃないんですね
 ゴトのように確実なものではありませんし、負ける時も出てきます
 使ってることがバレて聞き出そうと後をつけられる可能性だってありますし…」
と思ったより声が若い滝川さんは、攻略法を使う怖さも教え、儲けているプロは一ヵ月4・500万も稼ぐという夢のような話もしていた。
主婦の工藤さんにはそこまでは求めてないけど、やる気がなければやっていけないと言われ、その他いろいろ約一時間。
明日またもう一度考えて返事をください。
ここでやめても全然仕方がないことなんでと。