ハァ~?
  そんなお金あるわけないじゃん
 お話にならないと思ったけど、ちゃんとプロがついてくれるんなら私にもできるかも…。
 でも男のプロがついたら主人に疑われても困るし。
「女のプロの方はいないんですか?」
「あ、やっぱり主婦の方は女のプロの方がいいんですよね
 一応探してみますけど、女のプロの方は人気があるので無理かもしれません」
  へぇー、女のプロの人もいるんだ
  いーなー
  一人一人付くってことは指導料とかももらえるだろうし
  何より面白いパチンコを教えてお金がもらえるなんて
 また返事を明日するということで電話を切った。
昨日に続いて約一時間が経っていた。

 また次の日。
いつもこちらからかける時は緊張してしまう。
「お世話になります
 工藤と申しますが、営業の野崎さんお願いします」
「あ、僕、野崎です
 どうしたんですか?かわいい声だしちゃって
 お返事考えてくれました?」
 私はまた、田んぼの多い田舎道を携帯片手に犬の散歩をしながら話した。
「あのまた犬の散歩中なんで、ハァハァ言っちゃうかもしれないんですけど(笑)
 昨日プロの女の人は人気があるっておっしゃったじゃないですか?
 だからプロ目指してみてもいいかな…と」
「ホントですか?
 ぜひ、やりましょう!!
 ぜひ、プロを目指していきましょうよ、一緒に!
 じゃあ、僕一人で決められないんで、今から田村連れて上司にお願いしてきますんで
 またお電話していいですか?」
  本当にうれしそう
 私が永久会員になれば、きっと彼の成績も給料も上がるんだろうなと思った。
 
また次の日、野崎さんから電話がかかった。
「うちの上司、滝川って言うんですけど
 一度お話したいって言ってるんで、二・三日中にかけてもいいですか?
 じゃあ忙しい方なんですぐには無理かもしれませんけど、待っててください
 とにかくプロになりたいってことをどんどんアピールしてくださいね」