着いたのは



もう日が傾きはじめたときだった。











警察の方が言うには



地元の方が樹海の入口付近で




県外の車があったので不審に思い中を覗いたら




若い男性がぐったりとしていて、びっくりして通報したらしい。





車には身元が確認できる免許証と




遺書があったらしい。









死因は一酸化炭素中毒。




車の中に練炭が焚いてあったそうだ。






母は警察の方から遺書を貰い





崩れるように床に伏して泣き始めた。





私はまだ信じられなかった。




フワフワしていて



自分の身に降り懸かっていることなのに、




なぜかその光景を人事のように感じてしまっていた。






私の中で





大切な何かがプツンと








切れたような気がした。





ああ。




余りにも悲しいことがあると




涙もでないのだな。







そう思った。