それから数日間は



普通の楽しい生活だった。



でもそう思っていたのは




私だけだったようだ。




影では大人の汚い欲望が渦巻いていたんだ。




数日後




事件が起きてしまった。








「ただいまー」




「お帰りなさい。」


母さんの声だ。



ガチャ



リビングには母さんだけだった。



「あれ?父さんは?」



いつもは父さんがとっくに帰って来ている時間だった。




「それが帰ってこないのよ。


朝もいつもどうりに出たし


何も言ってなかったんだけど…。」



「…。」



おかしい。




父はマメな人で遅くなるといつも連絡を入れてくる。



こんなことは初めてかもしれない。



「ま、まあそのうち帰ってくるよね…。」



「そ、そうね…。」




母も私も何か嫌な予感を感じていた。