それから30分後…




月島さんが帰った。



私は父さんのいるリビングに降りた。



ガチャ



ドアを開けて中に入る。



父さんはソファーに深く腰掛け



長い足を組んで



何か考えこんでいた。



何かいつもの父と違う違和感を感じた。



私は心配になり声をかけた。



「...父さん?」



父さんはハッとして私を見て



またいつもの父に戻る。



「...おかえり。今日母さん残業で遅くなるらしいから


俺がご飯作るからな。何がいい?」



ニッコリとして父が言う。



いつもの父さんだ。



さっきの違和感は私の考えすぎかな。



清水さんの事も私は聞かないほうがいいような気がして




あえて触れなかった。




「タラコスパゲティーがいい!」



「了解!!待っててな。」










あの時もし母さんの残業がなかったら



もし私が話を聞いてあげてたら




父さんは今でも



あの明るい笑顔で




笑いかけてくれていたのかな?











家族三人で幸せに暮らせていたのかな?