私はキョトンとした顔で


月島雫を見た。



「うーまー…」



思わず出た言葉。



そりゃこんなに上手かったらカラオケ行きたがるはずだ。



「たまには生き抜き!カラオケ歌うとスッキリするんだよね!!」



月島雫はこう言った。



「あ、渡辺さんも何か歌ってよ!!」



「う、うちわいいよ...」



だいたい自分が歌が上手いのかすらわからない。



「じゃあ好きな歌手は??」




「んー、釈迦狐かな。」



釈迦狐はガールズバンドで結構マイナーだ。



私わどうやら人と少し嗜好が違うらしい。



しかもこのバンドの歌う歌はほとんど高音だから



私みたいなハスキーボイスの奴が歌えるわけがない。


「あ!!俺も好きでよく歌うよ。」


「え??あんな高い声でるの??」



男があんな声出るはずがない。



「ぢゃ聞かせてよ。」



「やだよ。引かれるもん。」


月島が口をプクーッと膨らまして言った。



「そんなかわいい顔してもダメ。歌えよ。」


やべ。つい命令口調になってしまった。


てか月島くん、君そんなキャラじゃないよね??そうだよね。