私は恥ずかしいので


長い髪で顔を隠して


横を通りすぎようとした。


しかし腕を掴まれた。



「こんにちわ渡辺さん。」


すこしドキリとした。


「あぁ月島くんか。」


今気付いたかのように言った。



「どこに行くの?」



「ん??あそこの本屋だよ。」


掴まれた腕はまだ解かれない。



小さいと思っていた身長も私より少し大きい。


なぜか私はドキドキしていた。



彼は厚くてぽってりした唇を前に突き出して


「俺も。」


と可愛く言った。



私たちは二人で本屋に入った。



雫は話してみるといいやつで、話しやすかった。



しかも漫画の趣味が似ていて話しがあった。



「え!?渡辺さんもチェンソーモンキー好き!?」



「大好きだよ!!あ、たしかアニメ化するよね!!」



「するするー。マヂ楽しみだよねー。」



いつもは無口でクールな二人が、



普通に話せていた。



「なんか不思議だよ。普段はあまり喋りたくないのに、


渡辺さんといると話したくなる。」


月島雫が微笑みながらいう。


この人はなんでこんなに恥ずかしい言葉を



さらりといっちゃうんだろう。


「ぢゃあもう出ようか。」



話しを流すように言った。

月島雫は考え込むようにしてこう言った。


「渡辺さん。これから少し時間ある??」