その優しさを断る事が出来ず寝間着を受け取ると

それを見計らったように少年が私に歩み寄ってきた。




「上着とか貸して。ハンガーに掛けておくから。」



優しい口調で告げる少年は、無表情で、私の首筋にはナイフを突き付けている。



少年の思惑のまま、私は携帯の入ったコートと生徒手帳の入ったブレザー

更に、カバンまで奪われてしまう事になった。


拉致された私が、お婆さんの優しさでもてなされて、お風呂に入る事になるとは思ってもみなかった。



脱衣場と浴室にしっかり鍵を掛けて、広い浴槽に浸かる。



広く綺麗な浴室で、バステレビやバス暖房等、最新機能が多数備わっていた。



体が温まって震えが止まると、脳が活発化したように様々な疑問が巡り始めた。



少年のナイフには、何故血がついていたのか…



まさか、少年が彼氏のDVから私を助けた時に、あのナイフで彼氏を…!?



私は、その恐怖から思考をそらすように、冷静を取り戻すように首を