振って少年を引き止めた。



「いいから、朝お風呂入れたばかりだから、二人とも早く温まってらっしゃい。」



二人ともって…




「わ…私寒くないので結構です…」



と言った直後、私の体は寒さを思い出した様に鳥肌を立てて。


クシュンッ。

まるでマンガの展開のように、私はくしゃみをしてしまった。



「あら、お友達って女の子だったの。」



初めて私の声聞いた盲目のお婆さんは、よっこらしょ。と立ち上がり

小さく曲がった背中を向けながら、真っ暗な隣室に入っていった。



危なっかしくて、守ってあげたい容姿をしたお婆さんは、きっちりと畳まれた寝間着を持って隣室から出てきた。



「寝間着は貸すから、早く暖まりなさいな。」



少年と私の関係を何も知らない様子のお婆さんは、私の居る方向を向きながら、寝間着を差し出す。