俺にも、わかる日はくるのだろうか?
「そろそろ戻るか。始業式が始まる。」
『あー…うん。』
俺は煙草を足で消し、教室に戻った。
『…………え?』
不意に声が出てしまった。
「どうした?」
『あの子…誰?』
目を奪われた。
髪が長くて、綺麗な黒。
肌が真っ白で透き通っている。
「誰の事言ってんの?」
『浅瀬と話してるやつ…。』
俺、見た事ないんだけど……。
「ああ。上田のこと?」
『上田!?俺、初めて見たんだけど。』
「あー…無理もないな。」
中森はため息混じりに言う。
『なんで?』
「上田、不良少女。」
…………はい?
なんだって?
『それ、マジ?』
「うん。本当。」
あんな綺麗なやつが…?
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