ねぇ、純。

知ってる?




かつて空は肉の固まりだった。

怠惰な人間に呆れて空は届かなくなった。

空が海に憧れたんじゃない。

海が寂しがっただけ。




「バイバイ、純。【         】」





笑顔はちゃんと作れてたかな。

昔から得意だったんだ、これだけは。

どうせ見えはしないけど。

言えない言葉は海の底に隠しておこう。

人魚が見つけて涙を流すのを待つ為に。