「死のうと、思うの」 幼なじみの遥が電話越しに言った。 俺は部屋の中にいて。 雨の音が、電話の向こうから聴こえていた。 「何言ってんだよ、遥。あ、わかった、いつもの冗談だろ?」 「ちがうの、ごめんね、ほんとに死ぬの」 空に響く教会の鐘は祝福ではなく追悼。 空に浮かぶのが雲なのではなく 雲を邪魔するのが蒼空。 「なんでだよ……!」