ひどい雨の日だった。

雨に濡れたアスファルトの臭いが不快だった。

路地裏にはゴミの臭いが充満していた。

にゃあ、と鳴いた野良猫は自由だった。










欲しいものなどその場限り。

手に入れればまた何か欲しくなる。

欲しくなれば手に入れて、要らなくなれば何処にでも捨てる。








鎖にすら繋がれていない。

主人など居なく、死を哀しむ者は居ない。