「大丈夫?」



震える瞳を開け、ウサギは口を開いた。

「マリ…マリは…」




マリ?



しばらくぼう…と宙を見上げていたウサギは、ハッと赤い瞳を見開くとぴょんっと立ち上がった。

「時間がない!!」


そう叫ぶとターッと走り出した。



そして


ドシン!!
「あいたっ」



木にぶつかって地面に転がった。
「うーん」と目を回し、倒れる。




「ちょ、大丈夫!?」



なにをそんなに急いでいるの!?



「マリィ…」



閉じた瞳から一筋の涙がこぼれた。